【短信8】イラン、日本の核保有の意図の検証を要求(2013.04.30)

【短信8】イラン、日本の核保有の意図の検証を要求(2013.04.30)

30日午前のクラスター2特定議題の冒頭ではエジプトのボイコット問題に対処する時間がほしいという議長の意向で、「中東以外」の地域問題に関する発言が先に行われた。

まず、日本、米国、英国、韓国、オーストラリアが発言し、北朝鮮、イランの核問題を中心に早期の平和的解決の必要性を訴えた。

続いて発言を求めたイランのソルタニエ大使は、これらの国々のアプローチがNPT加盟国の協力関係を損なう「ダブルスタンダード」であり、「対立的姿勢を止めるべき」と強い口調で非難した。

ここまではいわばNPT会議での「よくある光景」と言えなくもない。

しかし昨日のイランが、そうした批判のなかでも特に激しく日本を「やり玉」にあげていたことを紹介しておきたい。イランは、東京都知事が数年前に核武装の可能性について言及したこと、日本が大量のプルトニウムを保有していること等を指摘し、「しかるべき国際機関が日本の核武装の意向の有無について確認することを求める」と述べたのである。

これには即座に日本政府が反応し、都知事発言については承知していない、日本はNPTを完全遵守しており、IAEAにより平和利用が担保されている、との旨が述べられた。

イランの主張の正当性はともかく、ここで立ち止まって考えるべきは、日本の「道義的権威(モラル・オーソリティ)」ではないだろうか。

都知事に限らず日本の政治家の間でしばしば聞かれる「核武装発言」や、余剰プルトニウムを生み続けている日本の核燃料サイクル政策について、しばしば日本国内ではそれを「国内問題」の枠で議論しがちである。しかし実際問題として、他国から不信を抱かれかねない日本の発言や政策は、国際舞台における日本の発言力を損なわせるという深刻な結果を生んでいる。これはもちろん「核の傘」依存政策にも言えることだ。

本来であれば、「唯一の戦争被爆国」として、日本はどの国よりも堂々と、ゆるぎない説得力をもって核拡散問題に立ち向かうことができるはずである。それが、たとえ「言いがかり」に過ぎないとしても、イランの発言のように、「では日本はどうなのだ」と突きつけられてしまう現実があることを日本の私たちは知るべきではないだろうか。(中村)

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